経営者の100点 社員の〇〇点?




ポイント1 自分の100点をあきらめる


社長が仕事を抱え込んでしまう結果に陥ってしまう最大の理由が「スタッフの能力不足」です。
「なぜスタッフに仕事を任せないのですか?」と聞くと、「結局、自分がやった方が早いから、精度が高いから」という答えが返ってきます。


スタッフのスキル・能力が足りず、社長の要求する水準に到達しない。
それ自体は正しい、といえます。


しかし、考えて欲しいことがあります。
その社長が要求する水準とは、どんな水準なのでしょうか?
それは本当に必要な水準なのでしょうか?


通常、この要求水準は社長基準での100点満点であることが大半です。
しかし、スタッフは社長じゃありません。社長の頭の中はわかりません。
ですから、社長の主観的な基準で100点を取ることはまず不可能です。
つまり、無理なことを要求していることが大半なのです。(「オレは多くは求めない」と言っている人でさえ、です。)


また、さらに社長の100点というのは、スタッフ基準での100点とは全く違います。
スタッフの100点は社長基準で言えば60点以下なはずです。
その高い基準で100点満点なんて必要なのでしょうか?
お客さんから客観的な目で見た場合、社長基準の100点もスタッフ基準の100点も何も変わらないなんていうことは珍しくありません。


ですから、社長の基準で100点を取ることはあきらめることです。
個人的な意見としては、40点で良しとしてください。
経験上、それでも、お客さんの要求水準に十分に到達していることが大半です。
そして、もし課題が発生すれば、その段階で60点、70点を目指せばいいのです。


100点を目指してクズグズ時間をかけるより、社員がパパッと40点を取ってお客さんのフィードバックで改善していく方がよほど成果が出ます。
要するに、あなたの基準ではなく、お客さんの要求水準に合わせろということです。



ポイント2 業務を分解する


仕事を任せられない理由のひとつに、「どの仕事を任せていいか分からない」というものがあります。
結局、経理とか無難な事務作業しか任せることができず、劇的に仕事時間が減る、ということはありません。


しかし、業務を分解すれば、もっともっと任せられる仕事の分野を増やすことが可能です。


例えば、営業。
通常、社長が一番時間がかかっているところだと思います。
そして、任せられない仕事の代表例でもあります。


しかし、一口に営業といっても、
アポ取り → 初回面談 → 提案 → クロージング → 納品
みたいに分解することができます。


そうするとアポ取りや納品はスタッフに任せることができる、と判断できるかもしれません。
提案すれば決まるみたいに商品力が高い場合であれば、スキルの高い社長はアポ取りに専念する、という手もあります。(ちなみに、返金保証や後払いや成果報酬等をつけるなど、お客さんのリスクを完全に排除することで商品力を高めることもできます。)


また、上記の分解では任せる仕事がないなら、各プロセスをもっと分解してみてください。
アポ取りであれば、「アポ先探し(リストアップ)」「電話をかける」と分解できるかもしれません。
後者は任せられないけど、前者であれば任せられるようになるかもしれません。


要するに、業務を分解すれば今まで任せられないと思っていた仕事も任せられるようになる、ということです。



結局は思い切り


そうは言っても、任せることに踏ん切りがつかない、という人が大半です。
その本質的な原因というのは簡単で経営者自身の心の問題です。


口では任せたいと言っているけれども、仕事を抱えることで自分の社内での優位性を保ちたい、自己重要感を満たしたい、というのが本質です。
経営者なんて、色々いいことは言いますが結局はエゴの固まりですから。(当然、そこには私も含みます。)


ですから、そのエゴをいかに捨てるかが大きなポイントです。
とはいえ、エゴ自体を捨てることは難しいですから、とりあえずなるようになれ!という気持ちで、思い切って任せてしまうのです。
任せてみると、案外うまく回っているはずです。


もしどうしても任せられないなら。。。
2週間ほど旅行してください。
携帯の通じないところに行くか、もしくは携帯を持っていかないで。


罪悪感や焦りを感じますが、絶対に連絡を取らない。
これで任せざるを得なくなります。


ちなみに、この2週間は3年間の経営計画を練り、戦略を立案することに使ってください。
帰ってきたら、あなたのモチベーションがアップし、さらにボカンと儲かること請け合いです。
荒療治ですが、これをやって会社がめちゃくちゃになったという例を私は知りません。


かなりオススメです。